街の図鑑 −イタリア−
■アッシジ Assisi
アッシジはローマの北方、ウンブリア地方の丘の上の街。12世紀の聖者フランチェスコの街として知られ、昔の面影をそのまま残した街全体が世界遺産に登録されている。


■蜃気楼のような街

アッシジの街は山の中腹に密集している。街がまるごと空中に浮いているような、不思議な景観。
これが(日本によくあるように)山すそから街が這い登るようにずうっと続いていたり、(日本によくあるように)稜線を隠すことなどお構いなしに大きな建物が建っていたりしたら興ざめだが、うまく自然の中に溶け込んでいるように見える。
■街全体がひとつの建築

街は非常に高密度でコンパクト。どの建物も同じ素材で作られており、街全体がひとつの建物のように見える。
■周囲に広がる緑

密集した街とは対照的に周辺には豊かなウンブリアの平野が広がる。ほんのひと昔前の日本も、こういうめりはりのきいた景観は珍しくなかったと思うのだが。
早朝、ホテルの窓を開け放すと、鳥のさえずりとともに、朝もやの中から次第に一面の緑の平野が眼下に開けてきて、一日の幕が上がるようなドラマチックなひとときだった。
■統一された素材感

壁面から道路の舗装まで、同じ石材が使われている。ごつごつとした素材感が美しい。
■狭い路地

車の入れない路地に猫が歩いている。
路地の幅に比べて建物がずいぶん高いが、圧迫感は感じない。先が行き止まりのように見えることも、親密な感じを高めている。車が通らないことを前提に街を作ると、こんなにヒューマンになる。
■街のシンボル

街なかをぶらぶら歩いていると、街の中心的存在である教会の塔が思わぬ場所から見える。こんな驚きがあるから、街を歩くのが楽しくなる。ゲートが額縁のようになっている。
■光と影

暗い路地の向こうに光を受けた塔が輝く。光と影の対照が鮮やかで、演出効果満点。
■時間を写す壁

夕暮れとともに、建物の壁が赤く染まっていく。刻々と街の色が変わる。夕陽があたって壁の色が変わるのは当たり前だけど、そういう色の変化をじっと見守っていたくなるような場所は、なかなかないような気がする。

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